【登山で木の名前がわかる②】ブナ・ミズナラ・コナラの見分け方|関東の登山道でよく見る落葉広葉樹3種を葉・樹皮・どんぐりで見分ける
こんにちは、ささみんです!👋😊
「ブナ林を歩いてきました」
登山レポートにそう書きながら、実は自分でもどれがブナかよくわかっていなかった時期があります。
同じような感じで緑の葉をつけた大木が並んでいて、「あれがブナで、こっちがナラで……」と言われても、全部同じに見えてしまう。
でも見分け方さえ知ってしまえば、一瞬で「あ、これブナだ」とわかるようになります。
今回はその方法を3つの木に絞って解説します。ブナ・ミズナラ・コナラの3種類です。関東の登山道で最もよく出会う落葉広葉樹で、この3種を見分けられるだけで山の見方がガラッと変わります。

なぜこの3種なのか
ブナ・ミズナラ・コナラは3つともブナ科の落葉広葉樹です。遠目には本当によく似ています。でもこの3種を覚える理由があります。
① 関東の登山道で最も多く出会う木だから
低山(コナラ)→中山(ミズナラ・ブナ)という流れで、標高が上がるにつれてこれらの木が主役になります。「雑木林を抜けると自然林に入った」という変化の主役がこの3種です。
② 見分け方にストーリーがあるから
ブナ・ミズナラ・コナラは似ているように見えて、葉・樹皮・どんぐりにそれぞれ決定的な特徴があります。「違いを見つける」ゲーム感覚で楽しめます。
③ 山の話に登場する頻度が高いから
「白神山地のブナ原生林」「ミズナラの大木」「雑木林のコナラ」……どれも登山ガイドや自然解説でよく出てくる名前です。この3種がわかるだけで、山の話が格段に面白くなります。
まず「仲間の整理」から
3種ともブナ科ですが、分類が少し異なります。
| 木の名前 | 科・属 | 別名 |
|---|---|---|
| ブナ | ブナ科・ブナ属 | シロブナ・ホンブナ |
| ミズナラ | ブナ科・コナラ属 | オオナラ・水楢 |
| コナラ | ブナ科・コナラ属 | 小楢 |
ブナだけ「ブナ属」という別のグループで、ミズナラとコナラは同じ「コナラ属」の仲間です。つまりミズナラとコナラの方が近い親戚で、ブナは少し違う仲間ということになります。
この分類を頭の片隅に置いておくと、見分け方の理解が早くなります。
ブナの見分け方

一番の特徴:「葉のふちが波打っている」

これがブナ最大の、そして唯一無二の特徴です。
ブナの葉の縁は、波打つような大きなうねりがあります。他の木の葉のようにギザギザと尖らず、やわらかく波打っているのがブナだけの特徴です。
図鑑には「ふちは波打つことが大きな特徴」と明記されているほど、ブナを見分ける決め手になっています。
葉を一枚手に取ってみてください。縁がやわらかくうねっていたら、それはブナです。
樹皮:白くてなめらか

ブナのもう一つの大きな特徴は、幹の樹皮が白くてなめらかなことです。「山の王様」と呼ばれるのにふさわしい、品のある白い幹です。
コナラやミズナラの幹は灰褐色でゴツゴツとひび割れていますが、ブナはすべすべしていて、苔が生えていることも多いです。
実:三角錐の小さな実(殻斗に包まれている)
ブナの実は三角錐の形をしていて、トゲトゲした殻斗(かくと・帽子の部分)に包まれています。秋に4つに割れて落ちます。どんぐりとは形が全然違うので、すぐ見分けられます。
ブナが生えている場所
本州の場合、標高600〜1,600mあたりに多く見られます。関東では雲取山・奥多摩・丹沢の中腹〜上部でよく出会います。
「深い自然林に入ったな」と感じる場所に、ブナはいます。
ブナまとめ
決め手:葉のふちが波打っている(やわらかくうねる)
樹皮:白くてなめらか
実:三角錐・トゲのある殻斗
よく見る標高:600〜1,600m
ミズナラの見分け方

一番の特徴:「葉柄がほぼない」


ミズナラの葉は、葉柄(ようへい・葉と枝をつなぐ茎の部分)がほとんどありません。葉が枝に直接ついているように見えます。
葉の大きさは15〜25cmと大きめで、縁のギザギザ(鋸歯)は大きくはっきりしているのも特徴です。コナラのギザギザが細かく波型なのに対して、ミズナラは深くて大きいギザギザが並んでいます。
樹皮:灰褐色でゴツゴツ

黒褐色で、縦に不規則な深い裂け目が入ります。大木になると幹の直径は1mを超えることもあります。ブナの白くなめらかな樹皮と全然違うので、樹皮を見れば一発で区別できます。
どんぐり:帽子が深め(おわん型)
ミズナラのどんぐりは殻斗(帽子)がおわん形で深めです。コナラのどんぐりより大ぶりで、帽子が深くかぶっています。
ミズナラが生えている場所
冷涼な気候を好み、南東北以南では標高800m以上の山地に分布します。関東の登山では、標高が上がって気温が下がってきたあたりからミズナラが増えてきます。
ミズナラまとめ
決め手:葉柄がほぼない(葉が枝に直接ついているよう)
葉:大きめ・付け根が耳たぶ型
樹皮:灰褐色・縦に深い裂け目
どんぐり:大きめ・帽子が深い(おわん型)
よく見る標高:800m以上
コナラの見分け方

一番の特徴:「葉柄がある」

コナラには葉柄があります。1〜2cm程度の柄で葉と枝がつながっています。ミズナラと並べて比べると違いが一目瞭然です。
葉の大きさは8〜15cmで、ギザギザ(鋸歯)はミズナラより細かく、やや波型になっているのがコナラの特徴です。
どんぐり:帽子が浅い(お皿型)
コナラのどんぐりは殻斗(帽子)が皿形で浅いです。「お皿を頭に乗せた」ような見た目で、ミズナラの「おわん型」と比べると明らかに浅い。
コナラが生えている場所
コナラは温暖な気候を好み、関東以西の低地帯・丘陵帯を中心に分布します。里山・低山の雑木林の主役はほぼコナラです。「雑木林といえばコナラ」と覚えておいてください。
高尾山・日和田山・天覧山など、関東の低山ハイキングで出会う広葉樹の大半がコナラです。
コナラまとめ
決め手:葉柄がある(ミズナラとの一番の違い)
葉:小さめ・ギザギザが波型
どんぐり:小さめ・帽子が浅い(お皿型)
よく見る標高:低山〜600m前後
3種の比較早見表
| ブナ | ミズナラ | コナラ | |
|---|---|---|---|
| 科・属 | ブナ科ブナ属 | ブナ科コナラ属 | ブナ科コナラ属 |
| 決め手 | 葉のふちが波打っている | 葉柄がほぼない | 葉柄がある |
| 葉の大きさ | 中程度(8〜15cm) | 大きい(15〜25cm) | 小さめ(8〜15cm) |
| ギザギザ | やわらかく波打つ | 大きくはっきり | 細かく波型 |
| 樹皮 | 白くてなめらか | 灰褐色・深い裂け目 | 灰褐色・裂け目あり |
| 実・どんぐり | 三角錐・トゲの殻斗 | 大どんぐり・帽子深め | 小どんぐり・帽子浅め |
| よく見る標高 | 600〜1,600m | 800m以上 | 低山〜600m |
| 代表的な場所 | 雲取山・奥多摩上部 | 武甲山・奥多摩中腹 | 高尾山・日和田山 |
3種を同時に覚えるための「標高ストーリー」
登山道を歩くとき、標高によってこの3種が入れ替わっていきます。この「物語」で覚えると忘れにくいです。
麓・低山(〜600m)
→ コナラの雑木林
「里山の定番。縦に白黒の縞模様のヒビが入っている幹が特徴。どんぐりを拾った記憶があれば大体これ」
中山(600〜1,000m)
→ ミズナラが増えてくる
「葉が大きくて、葉柄がない。木も大きくなる」
高山(1,000m〜)
→ ブナが主役になる
「白い幹・葉脈が凹む。これが本当の自然林」
標高が上がるにつれて木が変わっていく。この変化に気づいた瞬間、登山の楽しさがひとつ増えます。
「似ている」と感じたときの最終確認ポイント
現地で「ブナかミズナラかコナラかわからない」と悩んだときは、この順番で確認してください。
ステップ①:葉のふちを見る → 波打つようにうねっている(尖ったギザギザではない)→ ブナ
ステップ②:葉柄があるか見る → 葉柄がほぼない → ミズナラ → 葉柄がある → コナラ
ステップ③:どんぐりを見る(秋のみ) → 大きい・帽子が深い → ミズナラ → 小さい・帽子が浅い → コナラ
ステップ④:樹皮を見る → 白くてなめらか → ブナ → ゴツゴツ・灰褐色 → ミズナラかコナラ
この4ステップで、ほぼ確実に3種を見分けられます。
まとめ
ブナ
決め手:葉のふちが波打っている(やわらかくうねる・ギザギザに尖らない)
おまけ:白くてなめらかな幹
標高:600〜1,600m
ミズナラ
決め手:葉柄がほぼない
おまけ:大きい葉・大きどんぐり(帽子が深い)
標高:800m以上
コナラ
決め手:葉柄がある
おまけ:小さどんぐり(帽子が浅い)
標高:低山〜600m
次回の第3弾では、シラビソ・ダケカンバ・ハイマツの見分け方を解説します。標高1,500m以上の高山帯に入ると出てくる木たちで、雲取山・瑞牆山の山行レポートとも連動します😊
今日が人生で一番若い日! 次の登山でブナを探してみてください⛰️😊
このシリーズの記事一覧
- 【第1弾】まず知っておくべき3つの分け方|針葉樹・広葉樹・常緑・落葉
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- 【第3弾】シラビソ・ダケカンバ・ハイマツの見分け方|高山の木3選(近日公開)
- 【第4弾】登山中によく見る高山植物10選(近日公開)
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