【ひとり登山 入門】40代50代からの始め方と注意点|遭難データで学ぶ安心スタート
こんにちは、ささみんです!👋😊
「ひとりで山に登ってみたい。でも、この歳から始めて大丈夫だろうか」
そう思って、この記事にたどり着いてくださったのではないでしょうか。
私は55歳・182cm・体重管理中・膝痛持ちの埼玉県南部在住、ソロ登山をこよなく愛するブロガーです。今でこそ毎週のように一人で山へ出かけていますが、本格的に山を歩き始めたのは40代後半から。決して若くもなく、体も軽くなく、膝には爆弾を抱えています。
実は、私が登山にハマったきっかけは、ちょっと変わっています。
数年前、愛車のバイクで長野・美ヶ原(うつくしがはら)へツーリングに出かけたときのこと。牧場ぞいの遊歩道をのんびり散歩していると、遠くにアンテナだらけの怪しい建物が見えたんです。それまで何度か美ヶ原には来ていたのですが、「なんだあれは…」と気味悪がって、ずっと近づかずにいました。

ところがその日は、アウトドアウェアに身を包んだ人たちが、その建物に向かってぞろぞろと歩いていく。気になった私は、つい後をついて行ってみたんです。
たどり着いてみると、そこは「王ヶ頭(おうがとう)ホテル」という素敵な山上のホテルでした。標高2,034m、美ヶ原の最高峰にぽつんと建つ雲上の一軒宿。あのアンテナの正体は、各放送局の電波塔だったんですね。

1階のカフェでホットミルクとデザートをいただき、ホテルの裏手に広がる王ヶ頭の頂からは、360度の絶景。そして売店で見かけたモンベルのソフトシェルジャケットが、もう、どうしようもなく格好良く見えたんです。
「山に登る人って、こんなに格好いいのか」──その日から、私はすっかり登山の世界に魅了されてしまいました。若い頃に富士山と乗鞍岳に登った経験はあったものの、それは趣味と呼べるものではありませんでした。本当の意味で「山っていいな」と思えたのは、あの美ヶ原の日からです。
美ヶ原から帰って、最初に登ったのが、地元・埼玉の宝登山(ほどさん/長瀞町・497m)でした。ロープウェイもある親しみやすい低山で、山頂には宝登山神社の奥宮が鎮座しています。標高こそ高くありませんが、長瀞の街並みや荒川を見下ろす眺めは、私にとって忘れられない「初めての登頂」になりました。そこから近所の低山を一つひとつ登るようになり、今に至ります。
そんなふうに始まったひとり登山は、私の人生を確実に明るくしてくれました。
この記事では、「40代50代からひとり登山を始めたいけれど不安」というあなたに向けて、始め方の手順と、ごまかさずにお伝えしたい注意点を、警察庁の最新データと私自身の体験を交えてまとめました。
最後まで読めば、「あ、これなら私にもできそうだ」と、最初の一歩を踏み出す勇気が湧いてくるはずです。

「この歳から」は、まったく遅くない
まず、いちばん大きな不安に答えさせてください。
40代50代からの登山デビューは、まったく遅くありません。むしろ、登山は中高年がボリュームゾーンの趣味です。
これは精神論ではなく、データが語っています。日本スポーツ振興センターが警察庁データをもとにまとめた分析によると、山岳遭難者全体に占める40歳以上の割合は、近年およそ78〜80%にのぼります。これは裏を返せば、山を歩いている人の大半が40代以上だということ。若い人ばかりの世界では、決してないんですね。
私が初めて一人で山に登ったとき、すれ違う人の多くが自分と同年代か、もっと年上の方でした。70代でストックを軽やかに操るおじいちゃんに颯爽と抜かされて、「あ、ここは自分の居場所だ」と妙に安心したのを覚えています。
体力に自信がない。膝が痛い。運動なんて何年もしていない。──全部、私も同じでした。
そんな私が編み出したのが、膝に負担をかけにくい「忍者歩き」(足裏全体で着地し、低重心・小股で歩く方法)です。きっかけは膝痛でしたが、これのおかげで今も山を続けられています。完璧な体じゃなくても、自分の体に合った歩き方を見つければ、山は十分に楽しめるんです。
スタートに「遅すぎる」はありません。今日が、人生で一番若い日ですから。
それでも知っておくべき「ひとり登山のリアル」

背中を押す話ばかりして送り出すのは、責任ある書き方ではないと思っています。ここはあえて、シビアな数字に向き合いましょう。
警察庁「令和6年(2024年)における山岳遭難の概況等」によると、
- 2024年の山岳遭難者は3,357人、うち死者・行方不明者は300人
- 遭難の原因で最も多いのが道迷い(30.4%)、次いで転倒(20.8%)
- そして単独登山の遭難者は1,311人。このうち死者・行方不明者の割合は13.7%で、複数人登山(5.9%)と比べて7.8ポイントも高い
最後の数字が、ひとり登山の本質をよく表しています。遭難そのものの起こりやすさより、「起きたあとに助かりにくい」のがソロのリスクなんです。
転んで足をくじいただけでも、一人なら誰も助けを呼べません。道に迷っても、相談できる仲間がいません。これがソロの厳しい現実です。
でも、ここで諦めてほしくない。なぜなら、道迷いも転倒も、準備と心がけで大きく減らせるリスクだからです。次の章から、その具体策をお伝えします。
怖がる必要はありません。でも、なめてもいけない。この距離感こそが、長く山を楽しむコツです。
ひとり登山の始め方|5つのステップ
身構えなくて大丈夫です。順番にひとつずつ進めれば、誰でもスタートラインに立てます。
ステップ1:まずは「整備された低山」を選ぶ
最初の山選びがすべてと言っても過言ではありません。標高が低く、登山道がよく整備され、人が多い山を選んでください。
関東近郊なら、高尾山(東京・599m)、筑波山(茨城・877m)、宝登山(埼玉・497m)あたりが定番です。これらの山は道標がしっかりしていて、人通りも多く、ケーブルカーやリフトで下山できる安心感もあります。
ただし、油断は禁物です。前述の2024年データでは、観光地として有名な高尾山の遭難者が131人と、5年平均より52%も増えています。「低山だから大丈夫」ではなく、「低山でも装備と準備は必要」と覚えておいてください。
ステップ2:登山靴とレインウェアだけは、ちゃんと揃える
道具を全部一気に揃える必要はありません。でも、この2つだけは妥協しないでほしいというものがあります。
ひとつは登山靴。スニーカーは滑りやすく、足首も守ってくれません。遭難原因2位の「転倒」を防ぐ、いちばんの装備です。
もうひとつはレインウェア(上下セパレートタイプ)。山の天気は変わりやすく、濡れて体温を奪われるのは低山でも命に関わります。傘やビニールガッパでは代用になりません。
この2つ以外(ザック、行動食、水など)は、最初は手持ちのもので工夫してかまいません。
ステップ3:登山アプリを入れて、地図をダウンロードしておく
遭難原因の堂々第1位は「道迷い」。これを劇的に減らせるのが、スマホの登山地図アプリです。私はYAMAPを使っています。
GPSで現在地が地図上に表示されるので、「あれ、道を間違えたかも」にすぐ気づけます。必ず、自宅の電波があるうちに地図データをダウンロードしておいてください。山では圏外になることが多いからです。
ちなみに2024年データでは、遭難現場の72.8%が携帯電話などで救助要請しています。スマホは現代の命綱。モバイルバッテリーも忘れずに。
ステップ4:登山計画書(登山届)を、家族や職場に共有する
一人で行くからこそ、これが本当に大切です。「どの山に、どのルートで、何時に下山予定か」を、必ず誰かに伝えてから出発してください。
万が一帰ってこなかったとき、この情報が捜索の決定的な手がかりになります。警察庁も、登山計画書を家族や職場と共有しておくことの重要性を繰り返し呼びかけています。
YAMAPなどのアプリから提出できますし、家族へのLINE一本でも構いません。「立山に〇時ごろ下山予定、連絡なかったら電話して」──これだけで、安心感がまるで違います。
ステップ5:天気が良い日に、行動食と水を持って出発
最後はシンプルです。晴れ予報の日を選ぶこと。山の天気予報サイト(てんきとくらすなど)で「A判定」の日を狙いましょう。
そして、おにぎりやチョコなどの行動食と、水を最低1リットル。お腹が空いてフラフラ、喉が渇いてバテバテ、では判断力も落ちます。
ここまで揃えば、もう立派なソロハイカーです。
完璧を目指さなくていい。この5つができれば、安全の8割は確保できています。
中高年・膝痛持ちだからこそ意識したい3つのこと
ここからは、同じ世代として、そして膝に爆弾を抱える者として、特にお伝えしたいことです。
1. 「下り」でこそ、ゆっくり慎重に
膝が痛む人にとって、本当の敵は登りより下りです。下りは膝にかかる衝撃が体重の数倍とも言われ、無理をすると翌日に響きます(衝撃の大きさには個人差があります)。
私は下りでこそ「忍者歩き」を意識します。小股で、ドスンと着地しない。ダブルストックを使えば、腕で衝撃を分散できて膝がぐっと楽になります。急がば回れ。下りは時間に余裕を持って。
2. 「あと少し」で無理をしない勇気
ソロには、自分を止めてくれる仲間がいません。だからこそ、「引き返す勇気」を自分で持つことが何より大切です。
天気が崩れそう、体が重い、時間が押している。そんなときは、頂上を諦めて引き返す。これは負けではなく、最も賢い判断です。山は逃げません。また来ればいいんです。
3. 体力は、日常の積み重ねで作れる
特別なトレーニングは要りません。私は徒歩通勤(往復7.6km)を続けて、少しずつ山に耐えられる体を作ってきました。
エレベーターを階段に変える。一駅手前で降りて歩く。その積み重ねが、山でちゃんと効いてきます。山に行かない日の過ごし方が、山での自分を作ります。
まとめ|最初の一歩は、思っているより軽い
長くなりましたが、最後にもう一度だけ。
40代50代からのひとり登山は、遅くもなければ、無謀でもありません。データが示す通り、山は中高年の趣味です。ソリにはソロのリスクがありますが、その大半は整備された低山を選び、最低限の装備を揃え、計画を誰かに伝える──たったこれだけで、ぐっと小さくできます。
私も最初は不安だらけでした。でも、自分のペースで歩く山の時間は、何ものにも代えがたい自由を与えてくれました。誰にも合わせなくていい。立ち止まりたいときに立ち止まれる。それがソロの最高の贅沢です。
あなたの最初の一歩を、心から応援しています。
今日が、人生で一番若い日です!
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【データ出典】 警察庁生活安全局生活安全企画課「令和6年における山岳遭難の概況等」(2025年6月)/日本スポーツ振興センター 警察庁提供データ分析資料








