9月はまだ暑い日も多いので、つい夏と同じ感覚で歩いてしまいます。でも夕方だけは、ちゃんと秋です。思っているより早く暗くなります。

予定した時刻になったため山頂を諦め、明るいうちに下山する忍者ハイカーと忍者ネコの4コマ漫画

そこで困るのが、「何時までに下山すればいいの?」という話。日没時刻だけ見ても、実は少し足りません。

大事なのは、日没から逆算して引き返す時刻を決めておくことです。山頂まであと少しでも、その時刻が来たら戻る。言葉にすると単純ですが、これがなかなか難しいんですよね。

結論|「日没」ではなく「登山口に戻る時刻」を決める

登山口に着く目標は、日没の30分〜1時間前をひとつの目安にします。初心者や下りに時間がかかる人、膝に不安がある人は、1時間前くらいで考えると余裕を持ちやすいです。

ただし、これは一律のルールではありません。樹林帯や谷は、空が明るくても足元が先に見えにくくなります。曇りや雨の日も同じ。山の形や天気によっては、さらに早めます。

引き返し時刻は3段階で決めれば難しくない

1.その山の日没時刻を調べる

まず、登る場所と日付の日没時刻を調べます。自宅の時刻ではなく、山がある地域で確認してください。

ここで気をつけたいのが、「日没までは明るい」と思わないこと。登山道では木や山の影が入るため、平地より早く暗く感じます。日没は行動終了時刻ではなく、そこから余裕を引くための基準です。

2.登山口へ戻る目標時刻を決める

日没が17時30分なら、登山口へ戻る目標を16時30分にする。こんなふうに、まずゴール時刻を決めます。

電車やバスの山なら、最終便だけを見るのは少し怖いです。できれば、その1本前に間に合う時刻を目標にします。下山後にトイレへ寄る時間や、靴の泥を落とす時間も意外とかかります。

3.下山時間と余裕を引く

地図の標準コースタイムで、現在地から登山口までの下山時間を確認します。そこへ休憩、道迷い、写真、膝の疲れなどの余裕を足します。

たとえば、登山口へ16時30分に戻りたい。下山の標準時間は1時間30分。さらに30分の余裕を見るなら、引き返し時刻は14時30分です。

日没時刻17時30分
登山口へ戻る目標16時30分
下山の標準時間1時間30分
初心者・休憩の余裕30分
引き返し時刻14時30分

この14時30分を、登山前にスマホのアラームへ入れておくと分かりやすいです。山頂で鳴るとは限りません。途中で鳴ったら、その場所が今日の折り返し地点です。

「あと少し」がいちばん迷う

引き返し時刻を決めても、山頂が近いと迷います。

せっかくここまで来たし。

あと10分だけなら。

ヘッドランプもあるから大丈夫。

この気持ちは、よく分かります。でも「あと10分」は往復なら20分です。山頂で休んだり写真を撮ったりすれば、もっと延びます。

今日は戻る。山頂は次回に残す。それでいいと思います。明るいうちに無事に戻れれば、次の登山につながります。

膝に不安がある人は、下山を短く見積もらない

登りより下りが速いとは限りません。膝が痛くなったり、落ち葉や濡れた石で慎重になったりすると、下山は予定より長くなります。

地図の標準時間ぴったりではなく、休憩と予備時間を入れておきましょう。下りで膝を守る歩き方は、「下山で膝を痛めない歩き方・5つのコツ」にまとめています。

ヘッドランプは「遅くまで歩く道具」ではない

日帰りでもヘッドランプは持ちます。ただし、持っているから遅くまで歩いていい、ではありません。予定外に暗くなったときの保険です。

ザックの底ではなく、暗くなる前に取り出せる場所へ。充電式なら出発前に残量を確認し、乾電池式なら予備電池も忘れずに。家で一度、点灯操作まで試しておくと安心です。

出発前の1分チェック

  • 山がある地域の日没時刻を調べた
  • 登山口へ戻る目標時刻を決めた
  • 下山時間に休憩と予備時間を足した
  • 引き返し時刻をアラームに入れた
  • ヘッドランプの点灯を確認した

9月の山で変わる寒さや装備も気になる方は、「9月の山|夏装備のままは危ない。変わる3つのこと」もあわせてどうぞ。

まとめ|引き返し時刻は、登る前に決めておく

秋山では、日没時刻を調べるだけで終わらせず、登山口へ戻る時刻、そこから逆算した引き返し時刻まで決めておきます。

山頂へ届かなかった日は、失敗ではありません。自分で決めた時刻に戻れたなら、むしろ上手な登山です。秋は景色がきれいな季節。少し早めに戻るくらいで、ちょうどいいと思います。


参考にした情報

ABOUT ME
管理人ささみん
こんにちは、ささみんです。 50代・182cm・膝痛持ちのソロ登山者。埼玉県ふじみ野市在住です。 体組成計に「肥満」と表示されていた春、立山登頂を目標に掲げました。そして2026年7月、憧れだった立山・雄山(3,003m)の山頂に立ちました。その翌週には、これも長年の憧れだった涸沢へ。上高地から往復30kmを歩いてきました。 どちらも、膝の痛みなく歩き切れた。それがいちばん嬉しかったんです。 プロの登山家でもアスリートでもありません。週末になると西武線に乗って奥武蔵の低山をよたよた歩いている、ただの埼玉のおじさんです。武器は、膝への衝撃を減らすために編み出した「忍者歩き」だけ。 「膝が痛くて山を諦めた」「体重が重いから登山は無理」と思っていた方へ。私も同じでした。それでも山はやめられません。 同じ悩みを持つ方の、小さな背中を押せたら嬉しいです。 今日が、人生で一番若い日!