【忍者修行 第0話】「もう登山は無理かも」膝痛55歳が高尾山を後ろ向きに下りた日
こんにちは、ささみんです!👋😊
今、このブログでは「忍者修行」という名前で、膝に負担をかけない歩き方を試しながら、少しずつ距離や標高差を伸ばしています。
2026年7月には、目標だった立山にも登ることができました。
でも。
最初から10kmも15kmも歩けたわけではありません。
忍者歩きができたわけでもありません。
その少し前。
2025年の秋。
私は高尾山で、
「もう登山はやめた方がいいのかもしれない」
と思っていました。
今では忍者修行とか言ってるけど……この頃は本当に山をやめようかと思ったんだよ。
高尾山でニャ?
高尾山で。
それは……かなり追い詰められてたニャ。
そうなんです。
場所は、高尾山。
しかも危険な岩場でも、急峻な登山道でもありません。
舗装された一号路でした。
陣馬山から高尾山へ縦走した秋の日



2025年の秋。
私は陣馬山から高尾山まで縦走しました。
紅葉シーズン。
山の中は多くの登山者でにぎわっていました。
陣馬山から景信山、小仏城山、そして高尾山。
距離はありますが、このあたりは関東では定番の縦走コースです。
この日も、山道を歩いている間はなんとか膝が持っていました。
「今日は大丈夫かもしれない。」
そう思っていました。
問題が起きたのは、
最後の下山です。
ケーブルカーは大行列。仕方なく一号路へ

高尾山山頂周辺は、紅葉を楽しむ人で大混雑。
ケーブルカー乗り場にも長い列ができていました。
「これを待つくらいなら、歩いて下りた方が早いかな。」
そう考えました。
選んだのは、
一号路。
舗装された道です。
観光客も多く歩く、高尾山ではおなじみのルート。
危険な岩場もありません。
難しい登山技術も必要ありません。
ただ下るだけ。
……のはずでした。
コンクリートに入った瞬間、右膝が痛み始めた

山道を歩いている間は、なんとか持っていた右膝。
ところが舗装路へ入った途端、
痛い。
一歩。
ズキッ。
もう一歩。
ズキッ。
着地するたびに、膝の中へ衝撃が入ってきます。
最初は、
「少し休めば治るだろう。」
と思いました。
立ち止まって休憩。
また歩く。
痛い。
もう一度休む。
また歩く。
やっぱり痛い。
だんだん、普通に歩けなくなってきました。
周りの人は、普通に歩いている

ここが一番つらかったです。
周囲を歩いているのは、
スニーカー姿の観光客。
小さな子ども。
普段着の人。
手ぶらの人。
みんな楽しそうに話しながら、普通に坂を下っています。
一方の私は、
登山靴。
ザック。
登山ウェア。
ストック。
完全な登山者の格好です。
それなのに、
歩けない。
自分だけが、道の端で立ち止まっています。
「高尾山すら下れないのか……。」
かなり落ち込みました。
横向きに歩いてみた

どうにかして下山しなければなりません。
立っているだけでは帰れません。
そこで、
横向きに歩いてみました。
カニのように、
少しずつ。
すると、
正面を向いて歩くより、少しだけ楽でした。
「これならいけるか?」
と思いました。
でも長くは続きません。
やっぱり痛い。
そこで、
もっと変なことを試しました。
最後は、後ろ向きで下りました
前を向くと痛い。
横向きでも痛い。
なら、
後ろ向きならどうだ?
半分やけになっていました。
ゆっくり後ろを向きます。
そして、
一歩。
意外なことに、
前向きより少し楽でした。
衝撃が入る位置が変わったのかもしれません。
理由は分かりません。
とにかく、
後ろ向きなら進める。
だから、そのまま下りました。
登山者の格好をした55歳のおじさんが、
高尾山一号路を、
後ろ向きで下っていく。
今考えると、なかなかすごい光景です。
でも、そのときは笑えませんでした。
周囲の視線より、膝の方が痛かった

もちろん、
周りの人から見られます。
「なんであの人、後ろ向きに歩いているんだ?」
と思われていたでしょう。
恥ずかしかったです。
ものすごく。
でも、
そんなことを気にしている余裕はありませんでした。
膝が痛すぎる。
ただそれだけ。
ゆっくり。
一歩ずつ。
ときどき前を確認しながら、
後ろ向きで坂を下りました。
「もう山は無理なのかもしれない」

歩きながら、ずっと考えていました。
この膝で、
これからも登山を続けられるのか。
高尾山でこれなら、
もっと長い山はどうなる?
標高の高い山は?
テント泊は?
この先、
年齢を重ねれば膝はもっと悪くなるかもしれない。
そう考えているうちに、
ひとつの言葉が頭に浮かびました。
「もう、山はやめた方がいいのかもしれない。」
これまで山でつらかったことは何度もあります。
体力が足りなかった。
暑かった。
疲れた。
怖かった。
でも、
「山そのものをやめようかな」
と思ったのは、このときが初めてだったと思います。
山頂まで行けたのに、下山できない

登山で一番大切なのは、
山頂に立つことではありません。
無事に帰ることです。
そんなことは頭では分かっていました。
でもこの日は、
山頂まで歩けたのに、
最後の下山ができない。
これがかなりショックでした。
登れる。
でも下れない。
それでは登山はできません。
むしろ、
膝が悪い自分にとっては、
登りより下りの方が大きな問題なんだ
と、この日初めて本気で思いました。
その冬、私は雪山に逃げました


その冬。
山を完全にやめたわけではありません。
ただ、
歩く山を選ぶようになりました。
黒斑山など、
比較的歩行距離が短く、
雪が積もっている山です。
雪の上は柔らかい。
私の場合、
硬い地面を歩くより膝への衝撃が少なく感じました。
だから雪山なら歩ける。
それは救いでした。
でも、
自分でも分かっていました。
膝痛を克服したわけではない。
避けているだけです。
雪がなくなれば、
また普通の登山道を歩かなければならない。
舗装路を歩くこともある。
長い下りもある。
このままでは、
行ける山がどんどん限られてしまいます。
それでも、山を諦めきれなかった

高尾山では、
「もう無理かもしれない」
と思いました。
でも、
冬が終わりに近づくにつれて、
やっぱり山へ行きたい気持ちが残っていました。
あの景色をまた見たい。
歩いたことのない道を歩きたい。
もう少し遠くまで行ってみたい。
そして2026年。
ひとつ目標を決めました。
7月に立山へ行く。
私にとっては大きな目標です。
3,000mの山。
今の膝で本当に歩けるのか。
正直、自信はありません。
でも、
高尾山を後ろ向きに下ったまま、
「もう無理だった」
で終わらせたくありませんでした。
2026年春、「膝と向き合う」と決めた

膝をどうにかしたい。
ただ、
何から始めればいいのか分かりません。
筋力?
減量?
ストック?
歩き方?
全部必要かもしれません。
そこでまず、
自分がどう歩いているのかを、ちゃんと見てみることにしました。
そして、
もう一度山を歩いてみることにしました。
向かった場所は、
埼玉県飯能市にある、
子ノ権現。
足腰守護で知られるお寺です。
もう完全に、
神頼みです。
でも、
それくらい何かきっかけが欲しかったんです。
忍者修行は、まだ始まっていません

この高尾山の日には、
「忍者歩き」
なんて言葉はありません。
忍者ハイカーでもありません。
ただ、
膝が痛くて、
前向きに下れなかった55歳のおじさんがいただけです。
でも今振り返ると、
この日があったから、
「歩き方を変えてみよう」
と思いました。
子ノ権現へ行きました。
そして、
忍者修行が始まりました。
だからこの記事を、
忍者修行 第0話
にしたいと思います。
次は、足腰の神様・子ノ権現へ

2026年3月。
私は正丸駅から伊豆ヶ岳を越えて、
子ノ権現を目指しました。
目的は、
「膝をなんとかしたい。」
それだけです。
そして下山中。
また膝が痛み始めます。
そこで、
歩幅。
膝の使い方。
腰の位置。
足の向き。
いろいろ試し始めました。
それが、
後にこのブログで「忍者歩き」と呼ぶことになる歩き方の始まりでした。
【2026年9月追記】あの日の自分に伝えられるなら


高尾山一号路を、
後ろ向きで下っていた自分。
あのときは、
本当に山をやめようかと思っていました。
もしあの日の自分に、
今の自分がひとこと言えるなら、
こう言いたいです。
「まだ終わってないぞ。」
半年後。
子ノ権現で忍者歩きの原型を見つけました。
その後、
金時山〜明神ヶ岳。
飯能アルプス。
塔ノ岳。
雲取山。
武甲山。
瑞牆山。
木曽駒ヶ岳。
少しずつ歩きました。
そして2026年7月18日。
立山・雄山3,003mの山頂に立つことができました。
もちろん、
膝の不安が完全になくなったわけではありません。
今でも気をつけています。
無理をすれば痛くなるかもしれません。
だからこそ、
歩き方を考える。
無理をしない。
少しずつ身体を作る。
それを続けています。
高尾山を後ろ向きで下ったあの日は、
できれば思い出したくないくらい辛い一日でした。
でも今では、
あの日があったから、
忍者修行を始めたのだと思っています。
ここから忍者修行が始まります

忍者修行は、
速く歩くための修行ではありません。
強い登山者になるためでもありません。
膝や体力に不安があっても、
行ってみたい山へ、少しずつ近づいていくための修行です。
第0話。
高尾山を後ろ向きで下る。
第1弾。
子ノ権現で歩き方を考え始める。
第2弾。
長い下りで忍者歩きを試す。
第3弾。
16kmのロングハイクへ。
そして、
立山へ。
ここから、
私の忍者修行が始まります。
膝が痛くても、山は諦めない。
今日が、人生で一番若い日!🥷⛰️















