こんにちは、ささみんです!👋😊

山を始めたい。でも体力も膝も少し不安な人へ。

「50代からの登山入門」、第9回です。

前回は、登山計画について考えました。

コースタイムに急かされず、下山時刻から逆算して、何か起きても、

「うん、そこまでは想定内だ」

と思えるくらいの余裕を持つ。

私は歩くのが遅いので、とにかく始発(笑)。

脚力ではなく、時間で余裕を作るという話もしました。

では、計画が完成したら、そのとおり山へ行けばいいのでしょうか?

その前に、もうひとつ大切な判断があります。

「今日は、この山へ行っていいのか?」

今回は、登山と天気、そして「進む・戻る」の判断について考えてみます。

ささみん(忍者ハイカー)

よし!てんくらAだ!今日は登山決定!

忍者ネコ

Aなら絶対安全なのニャ?

ささみん(忍者ハイカー)

……絶対と言われると困る。

忍者ネコ

風は?雷は?昨日の雨は?歩くのは稜線?沢なのニャ?

ささみん(忍者ハイカー)

天気予報を見るだけじゃダメなのか。

忍者ネコ

予報に○×を付けるんじゃなくて、「今日の山で何が危ないか」を考えるニャ。

「てんくらAの日だけ登山」では、なかなか山へ行けない

登山を始めると、たぶん多くの人が気になるのが天気です。

私もかなり気になります。

よく見るのが「てんきとくらす」、いわゆるてんくらです。

A、B、Cで登山指数が表示されるので、とても分かりやすい。

でも、

「Aの日しか登山しない」

と決めてしまうと、これがなかなか自分の休みと合いません(笑)。

そこで私は、てんくらだけでなくtenki.jpなども見ながら、雨、風、気温などを確認するようにしています。

大切なのは、

「Aだから行く」「Cだから絶対やめる」だけで判断しないこと。

てんくらは便利な判断材料ですが、最終的に歩くのは自分です。

晴れマークだけ見ても、山の危険は分からない

天気を見るとき、つい「晴れか雨か」に目が行きます。

でも登山では、それだけでは足りません。

私は少なくとも、こんなものを見るようにしたいです。

  • 雨
  • 風
  • 気温
  • 雷
  • 視界
  • 前日までの雨
  • これから歩くコースの特徴

同じ天気でも、歩く山によって危険の意味が変わるからです。

「今日の天気は良いか悪いか」ではなく、「この天気だと、この山で何が危なくなる?」

と考える。

第9回では、これを覚えてほしいと思います。

霧の低山だって、私は好きです

例えば「霧」。

天気としてはあまり良くないように感じます。

でも私は、霧の低山も嫌いではありません。

白いモヤの中に木々が浮かぶ。

濡れた苔がいつもより鮮やかに見える。

晴れの日とはまったく違う、幻想的な森林になります。

登山=青空の日だけが正解ではないんですよね。

だから、霧だから即中止という話でもありません。

ただし、同じ霧でも場所が変われば話が変わります。

道が分かりやすい低山の樹林帯と、分岐が分かりにくい場所。

切れ落ちた岩稜。

広い稜線。

視界がなくなったときの危険は同じではありません。

天気そのものに○×を付けるのではなく、その天気が「今日歩く場所で何を変えるか」を考える。

これが重要だと思います。

まず「これから歩く山はどんな場所?」を調べる

天気予報を見る前に、もうひとつやっておきたいことがあります。

これから自分が歩く山やコースについて調べることです。

稜線を歩くのか。

沢沿いを歩くのか。

岩場があるのか。

鎖場があるのか。

樹林帯が中心なのか。

エスケープルートはあるのか。

その場所で、過去にどんなことが起きているのか。

こうした情報を事前に知っていると、天気予報の見え方も変わります。

撤退判断は、山の中で突然始まるものではありません。

登山計画を作る段階から、もう始まっています。

YAMAPなどで「最近歩いた人」の記録も見てみる

初めて歩く山なら、私はYAMAPなどで最近そのコースを歩いた人の活動記録を見るのも参考になると思っています。

地図を見るだけでは分からない情報があります。

「かなり泥だらけだった」

「倒木があった」

「沢の水が多かった」

「岩が濡れて滑りやすかった」

「工事で迂回が必要だった」

そんな情報が見つかることもあります。

もちろん、個人の活動記録だけを絶対視するわけではありません。

数日前に歩いた人が大丈夫だったから、今日も大丈夫とは限りません。

通行止めなどは自治体、観光協会、山小屋、交通機関などの公式情報も確認します。

地図で全体を知る。

最近の活動記録で現地の雰囲気を知る。

公式情報で最新の状況を確認する。

この3つを組み合わせると、かなりイメージしやすくなります。

山によって「一番怖い天気」は変わる

ここが今回、一番伝えたいところです。

同じ「登山」でも、歩く場所によって注意するものが違います。

コースの特徴特に気にしたいこと考えたい判断
開けた稜線・岩稜強風・雷・低温・視界不良稜線へ出る前に戻れるか
沢沿い雨・前日までの雨・増水沢へ入らないルートへ変更できるか
岩場・鎖場雨・凍結・強風濡れた岩を通過する必要があるか
森林の低山視界不良・道迷い・日没現在地と分岐を確認できるか
夏の稜線雷・暑さ午後まで稜線に残らない計画か
秋冬風・低温・早い日没明るいうちに下山できるか

「今日は晴れだから大丈夫」ではなく、

自分が歩くコースの弱点と、今日の天気を重ねて考える。

これが撤退判断の準備になります。

強風が怖い山|那須・朝日岳で起きた事故

私自身、那須岳の朝日岳を歩きました。

あのあたりを歩くと、開けた稜線が多いことが分かります。

ここで思い出したいのが、2023年10月に朝日岳付近で起きた遭難事故です。

強風などの厳しい気象条件の中で複数の登山者が行動不能となり、4人が低体温症で亡くなりました。

この事故を知ると、

「雨がそれほど強くないから大丈夫」

とは言えないことが分かります。

山では風も大きな危険になります。

特に開けた稜線では、身体を持っていかれるような強風になれば、前へ進むことだけでなく戻ることも難しくなります。

そして気温が低い状況で強い風にさらされれば、身体もどんどん冷えていきます。

だから朝日岳のような山なら、私は雨だけでなく風をかなり気にしたいです。

「せっかく那須まで来たのだから」

ではなく、

「今日は稜線へ出ない」

という判断も登山計画のひとつです。

沢沿いの山は「今日晴れている」だけでは判断できない

一方、棒ノ折山の白谷沢のように、沢沿いを歩く場所があります。

ちょっとした沢登りのような雰囲気があり、私はこういうコースも楽しいと思います。

でも、大雨や台風のあとなら話は別です。

その日の空が晴れていても、沢には前日までに降った水が流れてきます。

上流で雨が降っている可能性もあります。

いつもなら簡単に渡れる場所が、いつもと同じ状態とは限りません。

「今日は晴れているから大丈夫」ではなく、「昨日まで何が起きていた?」まで見る。

沢沿いのコースでは、特に大切だと思います。

台風や大雨の直後なら、私は無理に沢へ入るルートを選ぶ必要はないと思っています。

山は逃げません。

晴れた日に、また行けばいいんです。

雷は「聞こえてから考える」では遅いこともある

夏山で特に怖いのが雷です。

天気予報で「午後は大気の状態が不安定」「雷を伴う」と出ているなら、最初からその前提で計画を考えます。

例えば、午後まで開けた稜線を歩く予定になっていないか。

早く歩き始められないか。

雷が近づいたときに逃げ込める場所があるか。

気象庁には雷ナウキャストもあり、雷の状況や短時間先の予測を確認できます。

ただし、スマホで情報を見ていれば絶対大丈夫というわけでもありません。

山の中では、自分の周囲の空も見ます。

急に暗くなる。

雷鳴が聞こえる。

風が急に変わる。

そんな変化を感じたときは、

「もう少し様子を見よう」ではなく、安全側へ動く。

早めに判断したいところです。

天気は「前日・当日朝・現地」で何度も見る

登山の日を決めたときに天気予報を一回見て終わりではありません。

私は少なくとも、何度か確認したいです。

① 数日前〜前日

まず大きな傾向を見ます。

雨なのか。

風が強そうなのか。

雷の可能性があるのか。

気温が大きく下がるのか。

そして「この条件なら、予定している山で何が危なくなる?」を考えます。

② 当日の朝

朝起きたら、もう一度確認します。

昨日の予報と変わっていないか。

雨雲はどうなっているか。

注意報などが出ていないか。

ここで中止してもいいんです。

私は始発で行くことが多いので眠いですが(笑)、山へ向かう前の確認はしておきたいです。

③ 登山口

そして登山口に着いたら、今度はスマホだけでなく実際の山を見ます。

予報より風が強くないか。

山頂がずっと雲の中ではないか。

雨が強くなっていないか。

沢の水が多くないか。

登山口まで来たから、もう登らなければいけない。

そんなルールはありません。

④ 登山中

そして歩き始めたあとも判断は続きます。

天気が変わった。

風が予想以上に強い。

予定より時間がかかっている。

自分の体調もよくない。

複数の条件が悪い方へ重なってきたら、

「まだ行けるか?」ではなく、「今なら安全に戻れるか?」

を考えます。

撤退は「怖くなってから」考えない

撤退というと、

「ものすごい強風になった」

「雷が鳴った」

「沢が渡れなくなった」

という、危険が目の前まで来てから判断するイメージがあるかもしれません。

でも、本当はもっと前に考えておきたいです。

朝日岳なら、稜線へ出る前。

沢沿いなら、沢へ入る前。

雷なら、逃げ場所のない場所へ入る前。

岩場なら、濡れた岩へ取り付く前。

「危なくなったら戻る」ではなく、「危なくなる前に戻れる場所を決めておく」。

その方がずっと余裕があります。

「誰かについていくだけ」から少しずつ卒業する

グループ登山なら、経験のある人が計画を作ってくれることもあります。

それ自体は悪いことではありません。

私も経験のある人から教わることはたくさんあります。

ただ、

「一緒に行く人がYAMAPを使っているから、自分は見なくていい」

「ルートは誰かが知っているから、自分はついていけばいい」

という状態のままにはしたくありません。

もし、その人とはぐれたら?

その人が体調を崩したら?

天候が急変したら?

「ここから戻った方がいい」と感じたとき、自分が今どこにいるか分からなかったら?

撤退の判断も難しくなります。

初心者でも、自分が今日どこを歩くのかは、一度自分で確認しておく。

全部覚える必要はありません。

でも、山頂はどちらなのか。

どこが危険なのか。

どこから帰れるのか。

それくらいは、自分の頭にも入れておきたいです。

自分でプランを作ると、撤退もプランになる

自分で登山計画を作るようになると、少しずつ見えるものが変わってきます。

「ここまで行ったら山頂」だけではなく、

「ここなら引き返せる」

「ここを何時までに通過したい」

「風が強かったら、この稜線には出ない」

「雨のあとなら、この沢ルートは使わない」

そんなことまで考えられるようになります。

すると、撤退は、

「計画が失敗したから仕方なく帰る」

ではなくなります。

「最初から用意していた選択肢を使う」

になります。

山頂へ行く。

途中で引き返す。

エスケープルートへ変更する。

登山口で今日はやめる。

全部、登山計画の中にある選択肢です。

「せっかく来たから」は、やっぱり注意したい

第8回でも書きましたが、

「せっかく来たから」

は登山では少し注意したい言葉です。

せっかく休みを取った。

せっかく始発で来た。

交通費も払った。

ホテルも予約した。

もう山頂は近い。

ここまで歩いた。

気持ちは本当によく分かります。

でも、そのお金や時間と、今この先へ進んで安全かどうかは別の話です。

中止したら悔しい。

撤退したら悔しい。

それでもいいと思います。

悔しいなら、また来ればいい。

その方が、次の登山があります。

「運が良かった」ではなく、「判断できたから帰れた」にしたい

山では、結果だけを見ると判断を間違えることがあります。

強風だったけれど山頂まで行けた。

大雨のあとの沢を歩いたけれど何事もなかった。

遅い時間まで山の中にいたけれど、暗くなる前に帰れた。

だから、

「大丈夫だった」

と思ってしまう。

でも、本当に安全な判断だったのでしょうか。

たまたま今回は何も起きなかっただけかもしれません。

私は、そんな登山にはしたくありません。

風が強いから今日は稜線へ行かない。

昨日の大雨が気になるから沢沿いのルートを避ける。

予定より遅れているから山頂を諦める。

雷が心配だから早めに下山する。

自分で状況を見て、自分で判断する。

そして無事に帰ってきたときに、

「今日は運が良かった」ではなく、「ちゃんと判断できたから帰ってこられた」

と思える登山にしたいです。

撤退は失敗ではありません。

自分で帰る判断ができたことも、登山の実力のひとつです。

今回の宿題|自分が選んだ山の「弱点」を3つ調べてみる

今回の宿題は、天気予報を当てることではありません。

第7回で選び、第8回で計画を作った山について、

「この山では、どんなことが危険になりそう?」

を3つ調べてみてください。

稜線がある。

沢を渡る。

岩場がある。

雷から逃げにくい。

風を受けやすい。

雨のあと滑りやすい。

道迷いしやすい分岐がある。

そしてYAMAPなどで最近の活動記録も少し見てみる。

そのうえで、

「この天気になったら、私はここで帰る」

をひとつ考えてみてください。

これができれば、天気予報を見る意味がかなり変わってくると思います。

天気予報は「晴れの日を当てるもの」ではない

私は、天気予報を見る目的は、

「登山に最高の日を当てること」

だけではないと思っています。

今日の山では何が危険になるのか。

どこまでなら行けるのか。

どこで引き返すのか。

その判断材料を増やすために天気を見る。

てんくらがAでも、自分が歩く稜線の風が心配なら考える。

BでもCでも、低山の森林を短く歩く計画なら、条件を調べたうえで楽しめる日もあるかもしれません。

大切なのは、評価のアルファベットに自分の判断を預けないことです。

天気を見る。

山を見る。

自分を見る。

そして、進むか戻るかを自分で決める。

最初から完璧にはできません。

私もまだ勉強中です。

でも、少しずつでも、

「誰かについていけば大丈夫」から、「自分でも判断できる」へ。

そこまで進めたら、初心者からまた一歩前へ進めたのだと思います。

50代の登山は、山頂ではなく無事に家へ帰るまでが登山です。

次回|疲れにくい歩き方を覚えよう

山を選びました。

計画を作りました。

天気を見て、今日は歩けそうだと判断しました。

いよいよ次は、実際の山の中でどう歩くかです。

私は速く歩く方法より、

できるだけ疲れず、下山まで脚を残す歩き方

の方が大事だと思っています。

ここで、いよいよ私がよく使っている「忍者歩き」も登場します🥷

次回:
【50代からの登山入門⑩】疲れにくい歩き方|速く歩くより「下山まで脚を残す」

「50代からの登山入門」シリーズ

山を始めたい。でも体力も膝も少し不安な人へ。

このシリーズは、体力自慢ではない普通の50代が、少しずつ準備をして最初の山へ向かうシリーズです。

  1. まず30分歩いてみる
  2. 最初の登山靴を選ぶ
  3. 汗冷えを防ぐ服装を覚える
  4. 日帰りザックを選ぶ
  5. 無事に帰るための装備をそろえる
  6. 最初のハードルを下げて、生活に小さな運動を足す
  7. 初心者でも感動できる最初の山を選ぶ
  8. 「想定内だ」と思える登山計画を作る
  9. 天気と山を見て「進む・戻る」を自分で判断する ← 今ここ
  10. 疲れにくい歩き方を覚える
  11. 下山で膝を守る
  12. いよいよ最初の山へ

たまたま運が良くて帰ってこられた人ではなく、

自分で考え、自分で判断したから無事に帰ってこられた人へ。

すぐにはできなくても、少しずつそんな登山者になれればいいと思っています。

山頂までは遠くても、次の一歩はほんの数十センチ。

次回は、その一歩をできるだけ疲れずに積み重ねる方法を考えてみましょう🥷⛰️

ABOUT ME
管理人ささみん
こんにちは、ささみんです。 50代・182cm・膝痛持ちのソロ登山者。埼玉県ふじみ野市在住です。 体組成計に「肥満」と表示されていた春、立山登頂を目標に掲げました。そして2026年7月、憧れだった立山・雄山(3,003m)の山頂に立ちました。その翌週には、これも長年の憧れだった涸沢へ。上高地から往復30kmを歩いてきました。 どちらも、膝の痛みなく歩き切れた。それがいちばん嬉しかったんです。 プロの登山家でもアスリートでもありません。週末になると西武線に乗って奥武蔵の低山をよたよた歩いている、ただの埼玉のおじさんです。武器は、膝への衝撃を減らすために編み出した「忍者歩き」だけ。 「膝が痛くて山を諦めた」「体重が重いから登山は無理」と思っていた方へ。私も同じでした。それでも山はやめられません。 同じ悩みを持つ方の、小さな背中を押せたら嬉しいです。 今日が、人生で一番若い日!